衣類や電子機器といった遺品を、伝統工芸の技術で再び使える形へと蘇らせる展示が、原宿のサンブンノイチギャラリーで開かれます。 企画・運営する株式会社オクノテの代表が、2024年に亡くした父から受け継いだスーツやセーター、ラジオ、MDプレーヤーなどの実際の品物を素材に、職人とともに再生するプロセスを展示します。 父が着用していた衣類の再生は、のれん染工所の片山琢満氏が担当。衣服が持つ風合いや使用の痕跡を踏まえながら、新たな色彩を加えることで、次の持ち手が再び着用できる形へと仕上げます。ラジオやカセットプレーヤーなどの電子機器は、金銀箔砂子や木版といった加飾技法を応用し、元の品の役割が変わった時代でも、新たな鑑賞価値を生み出す工芸作品として再生されます。 単なる修理やリメイクではなく、故人との時間や記憶を残しながら、実際に暮らしの中で使い続けられるものへと変えることを試みるこの展示。再生のプロセスそのものが、次の持ち手との関係を紡ぎなおす作業として提示されます。