WEBショップで雑貨を見ています。かわいい。いい色。サイズもちょうどよさそう。そこで次に考えること。

「これ、うちならどこに置く?」

まだ買っていません。カートにも入れていません。なのに、もう置き場所を探しています。こういう時間が、私はけっこう好きです。

まず、商品写真の部屋をじっくり見る

雑貨そのものだけ見ればいいのに、つい背景まで見ます。この花瓶、白い棚に置いてある。横に本が三冊。その奥に小さなランプ。なるほど。こう置くのか。

商品の説明欄より、写真の隅にある棚のほうを真剣に見ていることがあります。

雑貨を見ているのか、知らない人の部屋を見ているのか、だんだん分からなくなります。

「玄関かな」が最初に浮かぶもの

小さなトレー。フック。ちょっとした花瓶。こういうものを見ると、まず玄関が浮かびます。

鍵を置くところにいいかも。今ある小皿と入れ替えようかな。でも玄関の棚、そんなに広かったっけ。

ここで一度、家の玄関を頭の中で開けます。靴箱。鏡。鍵。印鑑。置きっぱなしの何か。そして思う。

「まず、あれを片付けないと置けないな」

新しい雑貨を見ると、なぜか今ある散らかりまで見えてきます。

マグを見ると、キッチンの棚を思い出す

次はマグ。これ、好き。色もいい。形もいい。買ったら朝使いたい。でも、どこに入れる?ここで急に現実です。

家の食器棚を思い出します。一段目。マグ。二段目。グラス。その奥に、最近あまり使っていないマグが二個。います。ちゃんといます。

WEBショップを見ているだけなのに、

家にある食器の棚卸しが始まります。

デスクに置く想像は、かなり楽しい

時計。ペンスタンド。小さなライト。トレー。デスク周りの雑貨は、置いたところを想像しやすいです。

パソコンの左。いや、右。時計はモニターの横。トレーは手前。ペンスタンドは今のものと入れ替える。

ここまで来ると、頭の中ではもう模様替えが終わっています。

実際のデスクは、昨日のメモ。充電ケーブル。ペン。飲みかけの水。かなり現実的です。でもWEBショップの中では、理想のデスクが完成しています。

サイズ表を見て、急に本気になる

「これ、置けそう」と思ったら、サイズを見ます。幅18cm。奥行12cm。高さ24cm。数字を見ても、最初はあまりピンときません。

そこで家の棚を思い出す。あのスペース、20cmくらいあったかな。いや、そんなにないか。スマートフォンを置いたときの幅がこのくらいだから……。

だんだん具体的になります。そして本当に気になるものだと、ついに立ち上がります。メジャーを持って。

見るだけだったはずなのに、現地調査が始まりました。

置き場所を探しているうちに、家の好きな場所にも気づく

面白いのは、「どこに置こう」と考えていると、自分が家のどこをよく見ているか分かることです。

朝、必ず見る棚。帰宅したとき最初に見る玄関。仕事中ずっと視界に入るデスク。寝る前に見るベッド横。そういう場所には、少し好きなものを置きたくなります。

逆に、ほとんど見ない棚もあります。そこにかわいいものを置いても、たぶん忘れます。

雑貨を置く場所を考えることは、自分が家のどこで暮らしているか考えることでもあるんですね。

「ここに置いたらいいかも」で、今あるものまで動き始める

新しい時計をここに置く。そうすると今の時計はどうする?寝室へ。寝室にある小さな時計は?玄関へ。玄関にあるものは?……。

一個の雑貨から、謎の玉突き移動が始まります。まだ一個も買っていません。それなのに家中の雑貨が移動しています。頭の中だけで。これは結構楽しいです。

商品写真と、自分の家はもちろん違う

WEBショップの商品写真は素敵です。余白があります。光もきれい。雑貨の横に置かれている本も、なぜか全部おしゃれです。

自分の家は違います。郵便物があります。リモコンがあります。ケーブルもあります。でも、それでいいんですよね。商品写真の部屋をそのまま再現する必要はありません。

うちだったら、うちの景色の中でどう見えるかな。

そう考えるほうが楽しいです。

「似合うかな」と考えると、家の色が見えてくる

ブルーの花瓶。いいな。でも、うちって何色が多い?木。白。グレー。そこにブルー。合いそう。ではピンクは?意外といけるかも。

そんなことを考えていると、普段あまり意識していなかった家の色が見えてきます。カーテン。床。棚。クッション。

自分の家なのに、雑貨を通すと少し客観的に見える。これもおもしろいところです。

買わなくても、ひとつ発見が残る

散々置き場所を考えた結果、買わないこともあります。やっぱり置く場所がない。サイズが少し大きい。似たものが家にある。お気に入りだけして終了。

でも、「玄関の棚、もう少し整えたいな」とか。「デスクの右側、意外と空いてるな」とか。一個くらい発見があります。

買わなかった雑貨に、自分の家を見直すきっかけだけもらう。

それも悪くありません。

逆に、ぴったりの場所が浮かぶと急に欲しくなる

もちろん反対もあります。商品を見た瞬間、「あそこだ」となる。玄関の棚。空いている左端。サイズも入りそう。色も合う。もう置いてある景色が見えます。

こうなると強いです。急に「欲しい」が現実になります。自分の家の中に居場所が見つかった雑貨って、かなり魅力的です。

雑貨を見ながら、家を散歩している

考えてみると、WEBショップを見ているとき、画面だけ見ているようで、頭の中では家を歩いています。

玄関。キッチン。デスク。洗面所。ベッド横。ここはどうかな。こっちは?と、一周する。

買うための商品選びというより、

雑貨を片手に、自分の家をもう一度見て回っている感じです。

今日も、まだ買っていない雑貨の置き場所を考える

WEBショップを開く。気になる雑貨を見つける。商品写真を見る。サイズを見る。そして、「うちならどこかな」と考える。玄関?デスク?キッチン?

考えているうちに、いつもの家が少し違って見えてきます。ここ、もうちょっと好きにできそう。あの棚、意外といい場所かも。そんなことに気づく。

買うかどうかは、そのあとです。

雑貨を見る楽しさって、ものを見ることだけじゃなく、自分の暮らしを想像し直すことにもあるんだと思います。

というわけで今日も、まだ買っていない花瓶を見ながら、家の中で置き場所だけは三カ所くらい決まっています。