部屋をちょっと変えたい。そう思うことがあります。

でも、ソファを買い替えるほどではない。棚もまだ使える。壁紙だって別に嫌いじゃない。そもそも大きな家具を動かす体力がありません。

それでも、

なんとなく今の景色に飽きた。

そんなときがあります。

私はそういうとき、部屋を変えるのではなく、雑貨をひとつだけ変えてみます。時計。トレー。マグカップ。ティッシュケース。本当に、そのくらいです。

でも不思議なことに、一個変わると、いつもの場所まで少し違って見えるんですよね。

ティッシュケースだけで、結構変わる

たとえばリビング。ソファ。テーブル。テレビ。全部そのまま。そこにあるティッシュだけ、箱のままから、ちょっと気に入ったケースへ変える。それだけ。

たったそれだけなのに、テーブルの上が少し整ったように見えます。

もちろん、ティッシュであることには変わりません。鼻をかむものです。急に高級な生活になるわけではありません。でも、

毎日何度も目に入るものが、自分の好きな見た目になる。

この効果って、思っているより大きいです。

トレーを一枚置くと、「散らかっている」が「まとめてある」になる

次はトレー。鍵。腕時計。イヤホン。リップ。何となく置いてあると、散らかって見えます。

でも同じものを、トレーの上へ置く。すると急に、

「これはここに置いてあります」

という顔をします。

何も減っていません。全部あります。なのに、少し整って見える。

トレーというものには、ものを片付ける力というより、ものに居場所があるように見せる力があるのかもしれません。

時計を替えると、壁が変わったように見える

壁掛け時計って、毎日見ているわりに、あまり意識していません。何時?見る。終わり。

でもある日、時計を替える。白から黄色。四角から丸。数字が大きいものから、少し小さいものへ。すると、時計だけ変えたのに、

壁全体が少し新しくなったように見えます。

これはお得です。壁紙を替えなくていい。ペンキも塗らなくていい。時計を一本外して、一本掛けるだけ。それで気分が変わるなら、かなり優秀な模様替えです。

マグカップは、小さな景色を毎朝つくる

雑貨をひとつ変えるなら、私はマグカップも好きです。朝。コーヒー。いつものテーブル。いつもの椅子。でもマグだけ新しい。色が違う。形も少し違う。持ち手の感じも違う。

それだけで、朝の景色がほんの少し変わります。

家具の模様替えは年に何回もしません。でもマグは毎朝使います。そう考えると、

小さい雑貨ほど、暮らしに登場する回数は多い。

だから、変えたときの効果も意外と長く続くのかもしれません。

部屋全体を変えようとすると、急に大仕事になる

「部屋の雰囲気を変えたい」と考えると、途端に話が大きくなります。ラグを替える?カーテン?棚?照明?ソファ?

予算も必要です。サイズも測ります。古いものをどうするかも考えます。そして、「また今度にしよう」となる。よくあります。

だから最初から、部屋全体を変えなくてもいいと思っています。

一平方メートルくらいだけ、好きにする。

それで十分です。

まずは、よく見る場所から変える

どこを変えるか迷ったら、私は「よく見る場所」を選びます。玄関の棚。洗面台。デスク。ダイニングテーブル。ベッドの横。毎日必ず目に入る場所。

そこに、小さなトレーを置く。時計を替える。花瓶を一個置く。ティッシュケースの色を変える。それだけでいい。

部屋の隅に大きなオブジェを置くより、

毎日20回見る場所に、小さな好きなものを置くほうが、私はうれしい。

新品じゃなくてもいい

雑貨を変える、と言うと、新しいものを買う話に聞こえます。でも、買わなくてもできます。

寝室にあった花瓶をリビングへ。キッチンの小皿をアクセサリートレーに。昔使っていたマグを久しぶりに出す。棚の時計を机へ移す。

場所を変えるだけ。これも立派な模様替えです。むしろ、「これ、ここに置いたほうが好きかも」という発見があります。

新しい雑貨を増やさなくても、今ある好きなものの出番を変えるだけで景色は変わります。

小さいから、ちょっと冒険できる

もうひとつ、小さい雑貨がいい理由。少し冒険できます。

ソファを黄色にする。かなり勇気がいります。カーテンをピンクにする。こちらもなかなかです。

でもマグなら黄色でもいい。トレーならピンクもかわいい。時計だけブルーでも楽しい。大きな家具では選ばない色を、小さなものなら選べます。

そして気に入らなかったとしても、場所を変えればいい。

暮らしの中で、気軽に試せるのが雑貨のいいところです。

好きな場所って、たぶん少しずつ作るもの

素敵な部屋を見ると、全部が完璧に見えます。家具。照明。色。小物。全部最初から計画されていたように見える。

でも実際の自分の家は、昔買った家具。とりあえず選んだ棚。もらったもの。最近買った雑貨。いろいろ混ざっています。それでいいと思います。

その中で、ティッシュケースだけ好き。このマグはお気に入り。玄関のトレーが好き。時計を見るとちょっと嬉しい。そんな場所が一個ずつ増える。

するといつの間にか、

「この部屋、結構好きだな」

と思えるようになります。

部屋を好きになるって、大改造を一回することではなく、小さな「好き」を何回も足していくことなのかもしれません。

今日は、ひとつだけ変えてみる

部屋を少し変えたい。でも模様替えするほどではない。そんな日は、ひとつだけでいいと思います。

マグを替える。トレーを置く。時計を移動する。ティッシュケースを変える。花瓶を棚から机へ。そのくらい。

すると次の日、いつもの場所を見たとき、「あ、やっぱりこれいいな」と思うかもしれません。

たった一個。でも毎日見る。だから、

雑貨をひとつ変えるだけで、いつもの場所はちゃんと少し好きになります。

大改造は、そのあと必要になったら考えましょう。とりあえず今日は、ティッシュケースくらいから。