WEBショップを見るとき、いつも何かを探しているわけではありません。むしろ私の場合、

何も探していないときのほうが長い。

買う予定もない。必要なものもない。なのに見ています。

夜。ソファ。スマートフォン。「ちょっとだけ見よう」という、とても危険な組み合わせです。

欲しいものがないのに、ショップを見る

最初はトップページです。新着。おすすめ。スタッフが選んだもの。季節の特集。そこから、なんとなく気になったマグカップを押します。

買うつもりはありません。本当です。

色違いを見る。関連商品を見る。「こちらもおすすめ」を見る。すると突然、知らないブランドの花瓶が出てきます。

「あれ、これかわいい」となる。花瓶なんて探していません。そもそも最近、花を買っていません。それなのに、その花瓶を置いた棚のことまで考え始めています。

WEBショップとは、不思議な場所です。

検索すると、知っているものしか出てこない

欲しいものが決まっているとき、検索はとても便利です。

「白 マグカップ 300ml」

「キッチン ワゴン スリム」

「花瓶 ガラス 小さい」かなり正確に、欲しいものへ連れていってくれます。

でも検索には、ちょっとだけ弱点があります。

自分が名前を知らないものは、検索できない。

当たり前なんですけど。私はこれが結構大きいと思っています。

たとえば、何色なのかうまく説明できないガラス。花瓶なのかオブジェなのか分からないもの。北欧っぽいけれど、北欧だけでもない柄。必要性は全然ないけれど、妙に気になる置物。

こういうものは、存在を知らないので検索できません。偶然出てきてもらうしかない。

「こういうの好きだったんだ」が一番楽しい

WEBショップをぼんやり見ていて一番楽しいのは、「これ欲しい」より、

「私、こういうの好きだったんだ」

と思う瞬間です。

私はずっと、シンプルな雑貨が好きだと思っていました。白。木。ガラス。できるだけ余計なものがない。そういうもの。

ところがWEBショップを見ていると、急に黄色い時計が気になる。ピンクのスピーカーもかわいい。少し変な形の花瓶も好き。動物の顔が付いたものまで気になる。

私が思っていた「自分の好み」、意外と信用できません。新しい雑貨を見るたび、少しずつ更新されます。

知らなかったブランドを見つけるとうれしい

もうひとつ好きなのが、知らないブランドを見つけること。名前を聞いたことがない。でも商品はすごく好き。そこでブランドページへ行きます。

一個見る。二個見る。三個見る。「あ、全部好きかもしれない」となったときの楽しさ。これは、ちょっと新しいお店を見つけたときに似ています。

しかもWEBなので、東京だろうと、大阪だろうと、海外だろうと、夜11時だろうと、見に行けます。

便利というより、

世界中の雑貨屋さんの棚を、少しずつ覗いている感じ。

私はそこが好きです。

関連商品という名の寄り道

WEBショップには、とても優秀な寄り道装置があります。関連商品です。

一個の商品を見る。その下に、「こんな商品もおすすめ」と出てくる。見ます。さらにその商品の関連商品を見る。また見る。

気づいたら、最初に何を見ていたのか分からなくなっています。マグカップから始まったのに、最後は時計を見ている。あります。

でも私は、この迷子が結構好きです。店舗でも、「今日は保存容器を買おう」と思って入ったのに、全然違う棚で立ち止まることがあります。WEBショップの関連商品は、そのデジタル版なのかもしれません。

カートに入れなくても、楽しい

WEBショップを見ると、最終的には買わなくてはいけないような気がします。でも、別に買わなくてもいいんですよね。

見る。知る。「いいな」と思う。それだけでも十分楽しい。

私は気になったものを、とりあえずお気に入りに入れます。そして数週間後に見る。「なんでこれ入れたんだろう」というものもあります。

逆に、まだ好き。やっぱり欲しい。というものもある。この時間差も面白いです。

その日の気分で「好き」と思ったものと、ずっと「好き」なもの。お気に入り一覧を見ると、自分でも気づかなかった好みが少し見えてきます。

目的のない買い物にも、ちゃんと意味がある

もちろん、買いすぎには注意です。これは大事。

「偶然の出会いだから」という理由で全部買っていたら、家が雑貨屋になります。それはそれで少し楽しそうですが、生活する場所がなくなります。

だから買わない。でも見る。知る。たまにお気に入りへ。本当に気に入ったら、しばらくして買う。そのくらい。

WEBショップって、買い物をする場所ではあるけれど、

自分の「好き」を探す場所でもあると思うんです。

まだ知らない「好き」が、たぶんどこかにある

自分の好きなものなんて、もうだいたい分かっている。そう思うことがあります。好きな色。好きなブランド。好きな素材。好きな雰囲気。

でも新しい雑貨を見るたび、案外そうでもないなと思います。

昨日まで全然興味がなかった色が、急に気になったり。知らなかったブランドの商品を、一瞬で好きになったり。「これは自分っぽくない」と思っていたものが、なぜかずっと頭に残ったり。

好みって、完成するものじゃないのかもしれません。

だから今日も、特に買うものはないけれど、WEBショップを開く。新着を少し見る。関連商品を一回だけ押す。……一回だけのつもりです。

そしてまた、

まだ知らなかった「好き」をひとつ見つける。

買うかどうかは、そのあと考えればいいと思います。