雑貨を見ていると、ときどきあります。「これ好きかも」という瞬間。ものすごく欲しいわけではありません。絶対買う、と決めたわけでもない。でも、ちょっと気になる。

もう一回写真を見る。色違いも見る。お気に入りに入れる。そんなことを何度か繰り返していると、ある日ふと、

「あれ、私こういうの好きなんだ」

と気づくことがあります。自分の好みなのに、自分で後から知る。ちょっと面白いです。

最初から、自分の好みを説明できなくてもいい

「どんなインテリアが好き?」と聞かれると、少し困ります。ナチュラル?北欧?シンプル?ちょっとレトロ?全部少しずつ好きです。でも、どれかひとつと言われると違う。

そもそも、そんなにきれいに分類できないんですよね。白い棚は好き。でも真っ白な部屋は少し寂しい。木の家具も好き。でも全部木だとちょっと重い。色も欲しい。でも派手すぎるのは落ち着かない。

好みって、案外かなり細かい条件でできています。

なぜか毎回、同じ色で止まる

WEBショップを見ていると、自分の癖が出ます。白。ベージュ。ブルー。グリーン。何色もあるのに、なぜか毎回グリーンで止まる。

しかも鮮やかな緑ではなく、ちょっとくすんだ緑。オリーブ。セージ。グレーが混ざったような色。またこれ。気づけばお気に入り一覧にも似た色が並んでいます。

どうやら私は、自分が思っていた以上にこの色が好きらしい。

こういう発見があります。

形にも、ちゃんと好みがある

色だけではありません。形もあります。丸いもの。少しぽってりしたもの。角がないもの。逆に、直線的でシャープなものが好きな人もいます。

私は商品を何個も見ているうちに、「また丸いやつ見てる」となることがあります。花瓶も丸い。マグも丸い。時計まで丸い。

一個ずつ見ていると気づかないのに、並べてみるとかなり分かりやすい。

お気に入り一覧って、ちょっとした自分の好み診断です。

「シンプルが好き」だけでは、全然足りなかった

以前は、自分はシンプルな雑貨が好きだと思っていました。たぶん間違ってはいません。でも、それだけではありませんでした。

シンプル。だけど、少し色がある。シンプル。だけど、ちょっと形が変。シンプル。だけど、小さな柄がある。どうやら、

完全に何もないものより、「一個だけ何かある」ものが好き。

ということが分かってきます。かなり細かい。でも、こういう細かさが好みなんでしょうね。

買ったものを見ると、自分の“好き”がもっと分かる

実際に家にある雑貨を見ても、傾向が出ます。マグ。花瓶。トレー。クッション。別々の日に、別々のお店で、別々の気分で買ったもの。

なのに並べてみると、なんとなく似ています。色だったり。素材だったり。形だったり。「自分ではバラバラに選んだつもりなのに」と思います。でも、選んだのは全部自分です。

好みって、意識していなくてもちゃんと選択に出るんですね。

逆に、昔好きだったものが今は違うこともある

昔買った雑貨を見ると、「こういうの好きだったな」と思うこともあります。嫌いになったわけではありません。でも今なら、たぶん別の色を選ぶ。形も違うものを選ぶ。それも普通だと思います。

服の好みが変わるように、雑貨の好みも少しずつ変わります。前は白ばかり。今は色が欲しい。前は無地。最近は柄も気になる。

「好き」が変わるのも、それはそれで楽しいです。

雑貨屋さんで、前なら見なかった棚を見るようになる

好みが少し分かってくると、雑貨屋さんの見方も変わります。以前なら素通りしていた棚で、止まる。「最近こういう色、気になるんだよね」となる。

あるいは、今まで全然興味がなかった素材を、急に見るようになる。ガラス。木。真鍮。陶器。布。

ひとつ好きになると、その周りにあるものまで見えるようになります。

好きなブランドが増えると、好みの共通点が見えてくる

知らないブランドを見つける。商品が好き。別の商品も見る。また好き。お気に入りのブランドがひとつ増えます。

そして別の日、また違うブランドを好きになる。並べてみると、ブランドは全然違うのに、何となく共通点があります。色の使い方。形。少し遊びがあること。素材感。

そこで、「あ、自分が好きなのはブランド名じゃなくて、この感じなんだ」と分かります。これもちょっと気持ちいい瞬間です。

人のおすすめと、自分の好きは別でいい

人気ランキングを見ることもあります。SNSで話題の雑貨も見ます。確かにかわいい。でも、自分ではそこまで欲しくないこともある。

反対に、あまり話題になっていないものなのに、妙に気になることもあります。どちらでもいいんですよね。

人気だから好きになる必要もないし、人気だから避ける必要もない。

自分が見て、「あ、これ好き」と思えば、それで十分です。

「好き」が分かると、買い物が少し楽になる

自分の好みが少し見えてくると、買い物も少し変わります。ただ便利だから。安いから。人気だから。という理由だけではなく、「これなら家に置いても好きでいられそう」と考えられるようになります。

迷ったときも、「あ、この色はたぶん自分が好きなほう」と分かる。もちろん、それでも色違いで20分迷います。そこは変わりません。

好きなものが増えると、部屋にも少し輪郭が出る

雑貨をひとつ。またひとつ。少しずつ好きなものが増える。すると、部屋にも何となく共通点が出てきます。

最初から、「この部屋はこういうテイストにする」と決めなくてもいい。好きなマグ。好きな花瓶。好きなクッション。好きなトレー。それを置いていく。

その結果、

あとから「これが自分の部屋なんだな」と分かる。

そのくらいの作り方もいいと思います。

突然、全然違うものを好きになってもいい

そして、好みが分かってきたからといって、そこから外れてはいけないわけではありません。

いつもベージュなのに、突然真っ赤なマグが気になる。シンプルなものばかりなのに、変な鳥の置物が欲しくなる。あります。むしろ、そういう一個が楽しい。

好みはルールではなく、「だいたいこの辺が好き」くらいでいい。

たまに外れるくらいのほうが、部屋も面白くなります。

「これ好きかも」を、とりあえず大事にする

雑貨を見ていて、少し気になる。なぜか目が止まる。もう一度見たくなる。そのとき、うちに合うかな。必要かな。人気かな。いろいろ考える前に、一回だけ、「これ好きかも」をそのままにしておきたいと思います。

お気に入りに入れてもいい。買わなくてもいい。覚えているだけでもいい。そういう小さい「好き」を集めていると、少しずつ自分の好みが見えてきます。

好きなものを知ること自体が、ちょっと楽しい

自分の趣味なんて、自分が一番よく知っている。そう思います。でも意外と、まだ知らない部分があります。

こんな色が好きだった。こういう形に弱い。最近は少し柄が欲しい。昔よりガラスが好きになった。雑貨をひとつ見るたび、そんなことに気づく。そして、「これも好きかも」がまたひとつ増える。

ものが増える前に、自分の中の「好き」が増えている。

私はその感じが結構好きです。

今日見つけたものは、たぶん買いません。でも、「あ、こういうのも好きなんだ」という発見だけは、しっかり持って帰ろうと思います。